子育て中に正社員薬剤師を1ヶ月で辞めた話。限界だったけど、今はちゃんと働けてます

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悩める薬剤師

子ども育ててるけど、今の職場を辞めたい……

と思ったことはありませんか?

あやきむ

実は私、正社員薬剤師を1ヶ月で辞めたことがあります。それも、保育園児2人を抱えながら。

今回は、「子どもがいるけど、今の職場がつらい。辞めたい。」と思っている人に向けて、私の体験談を紹介しようと思います。

世の中にはこんな人もいるんだ、と思えば、ふと肩の荷が軽くなるはずです。

目次

はじめに、正社員薬剤師になった背景

まず、私は新卒でCROに入社して、会社員を数年経験したのち、正社員薬剤師になりました。

薬剤師になった理由は次のとおり。

  • 勤務地が家から近くなる
  • 薬剤師としての経験が欲しかった
  • 薬剤師なら、正社員を辞めてもパートで高時給
  • 今の職場の人間関係に疲れていた

こんな感じで、薬剤師の仕事に魅力を感じているわけでなく、家庭と仕事の両立を考えたときに薬剤師の方がやりやすそうだ、という打算的な理由でした。

薬局経験は、学生の時のたった2ヶ月半の実習しかなく、不安いっぱいでしたが、大手チェーン薬局で研修制度が整っているところに雇われたので、なんとかやっていけるだろうと楽観的でありました。

あやきむ

これから人生で一番大変な1ヶ月を過ごすことになるとは、当時知る由もありませんでした。

薬剤師に転職して3日で「これ無理だ」と悟った

私は、転職エージェント経由で転職をしました。

転職エージェントは私が未経験であることを知ると、すぐにとある大手チェーン薬局を勧めてきました。

大手チェーンを勧められた理由

大手は研修制度がしっかりしていて、私のような中途・未経験でもサポート体制が充実していると伝えられました。

また、大手は薬剤師がたくさんいるので、たとえば子どもが急病で休んでも、穴を埋めてくれる薬剤師がすぐにきてくれるので休みやすいとのこと。

初めての薬局、しかも育児中で不安だった私は、大手っていいんだと思い込んでいました。

あやきむ

しかし、現実は大きく違っていました。

まず、配属された店舗は中規模の病院門前で、しかも内科だけでなく、消化器や循環器内科、脳神経科(これが難しい)、さらには皮膚科までいろんな処方箋が流れてきます。

働いている薬剤師も5~6人と多かったですが、みんな余裕がなくて、自分の業務に集中していました。

そんな中にポンと未経験で入れられた私。

いきなり「ピッキングして!早くして!これ間違ってる!」と言われても、正直何が何だかわからない状態でした。

あやきむ

さらに、間違っていることを尋ねたら、最初は教えてくれていましたが、だんだん嫌な顔されるようになり、聞けない雰囲気になっていました。

新卒ではないので、座学で丁寧に教えてくれることは期待していませんでしたが、当時は現場から離れている期間が長く、商品名と一般名もうまく変換できませんでしたし、でも自分で調べたり人に聞いたりする余裕もなく、、

研修制度が充実!って言ってた大手チェーン薬局は嘘だったんだ!

と思いました。

今振り返ると、現場もよく理解していなかった。

当時は「現場の人が優しくない!」と思っていましたが、振り返ると現場も何も聞かされていない状態で、未経験の私を入ってきてどうしたらいいかわからない、という状態だったんだろうと思います。

上の人がどういう人が入ってきて、どういう風に仕事させてほしい、という指示がなかったのでしょう。

現場も余裕がなければ、上層部の余裕がない企業でした。

早々にいなくなって正解でした。

2週間耐えてみたけど、体も心も子どもも限界に

あやきむ

業務は難しいけど、やってれば覚えるはず!子どももいるし耐えねば!

と最初は「もう無理だ!」と「いやまだ頑張らねば!」を行ったり来たりしていました。

体力も精神力も、最初の数日でとっくに限界。

でも、薬剤師のキャリアはずっと続けるつもりだったし、今のうちにしっかり仕事を覚えなければ、という気持ちで続けるつもりでした。

ここで、勤務時間という問題にぶち当たります。
面接時は、早番と遅番を半分ずつ交代で、という話でした。
土曜日勤務もあったので、遅番は週2日ほどの予定でした。
しかし、実際は行ってみると、週5で遅番、さらに土曜日勤務だったのです。

しかも、遅番は20時前まであり、当然保育園へのお迎えは間に合いません。

祖母に保育園に迎えに行ってもらい、私は仕事が終わってから祖母の家に片道40分かけて迎えに行く日々。

(しかも、祖母もあまり協力的ではなく、いつまでお迎えがあるのか等文句を言われていました……当時は余裕がなかったので、このことも辛かったです。)

私の体力も限界近かったですが、私より先に子どもが精神不安定になってしまい、入社して2週間目に辞める決心をするのでした。

面接と話が違いすぎた点

私も早く転職したいばかりに、確認を怠ったのが悪いですが、面接時と実際の勤務体制が違いすぎました。

  • 19時には退社できる→実際は20時近く(超えることも)
  • 早番が週の半分→全て遅番
  • 土曜日は月の半分→ほぼ全ての土曜日
  • 休みやすい→入社した月に友だちの結婚式があり、最初にその日は休みたいと伝えたら我儘だと言われた(シフト制なので問題ないはず)
あやきむ

とはいえ、独身なら我慢していたかもしれません。会社も我慢できるだろうと目論見があるようで嫌でした。

退職は迷惑がられたが、スムーズに進んだ

入社して1ヶ月だったので、会社にも薬局にも思い入れはありません。

続けられないとわかれば、すぐに管理薬剤師に「今月いっぱいで辞めたい」と伝え、それがマネージャーに伝えられて退職となりました。

未経験だったので、とくに戦力として数えられていなかったからか、多少引き留めはありましたが、スムーズに辞めることができました。

引き留めは、1ヶ月で辞めるなんて迷惑だ、的な感じだった気がします。
転職エージェントにも辞めるなんて!と怒られそうになりました。

でも、面接時と違う勤務体制だったこと・教育や指導もなく現場に放り込まれたことを伝えたら、すぐ辞めれました。

あやきむ

私のキャリアや生活がぐちゃぐちゃになったこと、子どもたちの精神状態まで影響したことで、電話口で私も怒り口調になっていました。

自分だけが責められて終わるとモヤモヤしますが、「どうせ辞めるんだから!」と嫌なことを全部言ったのでスッキリして辞めることができました(笑)

辞めたあとは、もっと自分に合った職場で正社員薬剤師に

1ヶ月で正社員薬剤師を辞めた後は、1ヶ月間休んでいました。

本当は2~3ヶ月くらい休んで、ゆっくり家事したり子どもと遊んだりしながら、転職活動するつもりでした。

あやきむ

ただ、辞めて2週間経った頃に、転職エージェントから一本の電話が。

なんと、たまたま17時終了の薬局が見つかったので、一度面接を受けてみないか、というお誘い電話でした。

正直、前の薬局で精神も体もボロボロでしばらく働きたくない……って感じでしたが、17時終了は魅力的すぎたので面接へ行きました。

そして、とんとん拍子に採用が決定して、翌月から働くことに。

個人薬局だったので、研修制度もなければ、休んでも誰も代わりはいません。
でも、個人薬局だからこそ、ちょっとルーズな面もあり、働いている人も寛容でした。
多少のミスはあっても、リカバリーできればそれでOK。
仕事も、やりながら覚えていけばいいよ。とゆっくり教えてくれました。

結局、この薬局で今でも働いていて、もう5年となります。(途中でパート薬剤師になりましたが)

薬剤師のキャリアもほとほどに築けてきて、過去の私のように自分のキャリアに焦ることも減りました。

あやきむ

たまたまラッキーで求人が見つかったのかもしれませんが、前の職場で我慢し続けていたら、この環境は手に入りませんでした。

同じように悩んでいるママ薬剤師へ

薬剤師は真面目な人が多いので、自分の生活や精神状態を無理してまで、職場のために頑張ってしまうことが多いと思います。

確かに、職場や患者さんに迷惑をかけるのは良くありません。

ですが、自分や家族を犠牲にしてまで、働くのは違うと思います。

職場も患者さんも、誰も自分の人生に責任をとってくれません。

今はどこも働く人が不足していますし、探せばどこでも働くところはあります。

理不尽だったり、人間関係が悪かったりする職場に無理通う必要はないということを伝えたいです。

私だって、1ヶ月で薬剤師を辞めたり、派遣も途中で契約終了したり、あまり胸を張れる経歴ではありませんが、それでも人並みに働けています。

それも、精神的や体力的に削られる職場ではなく、自分が心地よい職場で働けています。

我慢するより、我慢せずに自分の心地よさを優先した方が、良い人生になったという自負があります。

あやきむ

どうしても辛いなら辞めても、またそれはそれで道が開けるものです。

おまけ:ママ薬剤師が自分らしく働くためにできること

最後に、正社員を辞めても自分らしく働ける方法を軽く紹介します。(すべて私がやったことです。)

正社員として、別の職場を探す

一番王道で、一番安定ルートです。

今の職場よりも条件がいいところ(距離や勤務時間、人間関係等)なら、転職する価値はあります。

ただ、またハズレの職場というリスクもありますが……

転職エージェントに登録だけして、いい職場を探してもらって、タイミングが合えば転職という手が一番安心ですね。

(いきなり辞めてから、職場探しをした私が言えることではありませんが。)

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派遣薬剤師に登録して、働く日数を減らす

職場に対してというより、週5で働かねばならない正社員薬剤師がしんどい・疲れたという人は、派遣薬剤師がおすすめです。

パートよりも高時給なので、短い勤務時間で効率よく稼げます。

将来的に正社員に戻る予定でも、子どもが小さい間だけは働く時間を減らしたい。でも、収入も大事。という人におすすめの働き方。

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在宅ワークのスキルを高めて、薬剤師経験を活かして別の仕事を始める

これが一番難しいですが、もし稼げるようになればかなり生活が変わります。

薬剤師は現場仕事なので、どうしても毎日出勤が必要。

出勤すれば人間関係に悩むことも増えますが、在宅ワークができれば人間関係の悩みも半減です。

私はパート薬剤師と並行して、在宅でできるメディカルライターを副業にして、月5~10万円の収入を得ています。

薬剤師業と違って、最初は稼げるようになるまで時間がかかりますが、挑戦する価値はあります。

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この記事を書いた人

34歳|6yと5yのママ|精神科門前の薬局薬剤師|元・CROモニター|子どもの小学校入学と同時にパート薬剤師になりました|2023年〜将来のためにインデックス投資と副業を開始

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