悩める薬剤師薬剤師の仕事って大変だなぁ。現場ってピリピリしてて、いつも神経が尖ってる。
って悩むことありませんか?
仕事自体は嫌いじゃないけど、もう少しゆとりがあればいいのに。と私もずっと考えていました。
そして、今はちょっとしたコツで、以前よりのんびり働くことができています。
今日はそんな薬剤師が「のんびり働く」コツを紹介します。
なぜ「のんびり働きたい」と感じる薬剤師多いのか
周りの薬剤師や大学時代の友人を見ていても、「仕事がしんどい」「もう少しペースを落としたい」という声はよく聞きます。
その原因は、個人の問題ではなく職場環境にあることが多いと感じます。
医療現場は「10年遅れている」と言われるほど、旧時代的な働き方が残っており、医師や看護師の過酷な勤務が話題になるように、薬剤師も例外ではありません。
また、「医療=奉仕」と考える人が多く、献身的に働くことが“当たり前”という空気の中で、無意識に自分を追い込んでしまうケースも少なくありません。
(周囲からのプレッシャーでそうなっている人もいます。)
薬剤師が「のんびり働きたい」と感じる理由は大きく2つです。
- 業務が忙しく、緊張感のある環境で疲労がたまりやすい
- 家庭や育児と仕事の両立が難しい
後者は特に、女性の既婚・子育て世代に多く見られます。



病院や薬局は9時〜20時営業、土曜も開局という職場が多く、一般企業よりも両立が難しいと感じる人が多いのが現状です。
私がした今の職場で“のんびり働く”ための工夫5つ
では、薬剤師がのんびり働くのは夢のまた夢なのか?と思うかもしれません。
でも、ちょっとした工夫や気の持ち様で、精神的・肉体的に楽に働くことはできます。
完璧主義をやめて、仕事に“緩急”をつける
薬剤師には真面目な人が多く、「どの業務も完璧にこなさなきゃ!」と思い込んでしまう傾向があります。
私も新人のころは、すべての業務をミスなく、できるだけ早く進めようと必死でした。
しかし数年経つうちに、その働き方がとても苦しく感じるようになりました。
小さなミスに落ち込み、自信をなくし、「もう薬剤師の仕事が好きじゃない」と思うようになってしまったんです。
そこである日、「このままでは長く続けられない」と気づきました。
それからは、“力を入れるところ”と“抜くところ”を分けるようにしました。
監査のように絶対にミスできない業務では集中して取り組み、
一方で、在庫管理や薬歴のように後から調整できる部分では多少の余白を持たせる。
たとえば薬の在庫は多少ずれても後で調整できますし、薬歴も後から修正すれば大きな問題にはなりません。
こうした“緩急”をつける働き方に変えてから、心に余裕ができ、仕事が前向きに感じられるようになりました。



そして、不思議なことに、気を抜いたほうがミスが減ったのです。
周囲と比較せず、自分の成長に目をむける
薬剤師として働いていると、「なんであの人はあんなに仕事が早いんだろう」「自分はまだまだだな」と感じること、ありませんか?
私も子どもを育てながら薬剤師として働き始め、正社員からパートにシフトしました。
そのため、同年代の薬剤師よりもスキルや知識が追いついていないと感じることが多々あります。
そんな時、職場に“できる同僚”がいると、つい自分を比べて落ち込んでしまいがちです。
でも、他人と比べても良いことは一つもありません。
マイナス思考が強まり、仕事へのモチベーションまで下がってしまいます。
大切なのは、「人にはそれぞれの成長スピードがある」と知ること。



私も、薬剤師を始めたばかりの頃の自分と比べると、今は知識も経験も格段に増えました。
比べるべきは“他人”ではなく、“過去の自分”。
その意識を持つだけで、毎日の仕事が少し楽になります。
業務の中で“ちょっとサボり時間”をつくる
デスクワークの人って、ちょいちょいPCしているふりをしながらサボってるって知っていました?
以前に企業勤めだった私は、みんな8時間勤務でフルに活動するのではなく、ちょいちょいサボりながら上手く仕事を回していることを知っていました。
しかし、薬局に転職してきてどうでしょう。
勤務中ずっと真面目に働いている薬剤師が多いではありませんか。
(もちろん上手にサボっている人もいます。)
最初は、私もサボってはいけないのかと思い、勤務時間中は気を抜かず業務をしていました。
しかし、人間の集中力は45分程度が限界。
(歳をとるともっと短いかも。)
これはしんどいなと思い、ちょいちょいサボるようになりました。
- トイレに立って、ちょっと休憩する。
- 裏で小さなチョコレートを一粒つまむ。
- 座りながら薬歴を書くふりをしてぼーっとする。
こんなちょっとした時間で仕事が楽になります。
実は、心理学の研究でも「こまめな休憩(マイクロブレイク)」を取る方が集中力が続き、仕事の効率も上がることが分かっています。
ちょっとサボるくらいが、実は一番パフォーマンスが高いんです。



積極的にサボり時間を作ることをオススメします。
人の嫌がる仕事をして、人間関係を円滑に
「のんびり働きたいのに、嫌な仕事なんてしたくない!」
そう思うかもしれません。
でも実は――逆なんです。
たとえば、こんな場面はありませんか?
- みんなが嫌っている患者さんの投薬に行く
- 誰も取りたがらない問い合わせの電話を率先してかける
はっきりとは言わないけれど、なんとなく「みんなが避けている仕事」ってありますよね。
もちろん、好き好んでやりたい人はいません。
でも、そんな仕事を進んで引き受ける人って、職場では意外と“ありがたい存在”なんです。
私もあえて嫌な仕事を引き受けるようにしてから、周囲の人との関係が驚くほど良くなりました。
人間関係が穏やかになると、多少のミスや小さなサボりも「まぁ大丈夫」と見逃してもらえるようになります。
結果的に、それが一番の「のんびり働く秘訣」でした。



まさに、損して得を取るという考え方です。
体調とメンタルを整えて、有給休暇を上手に使う
「仕事が辛い」「もう無理かも」と感じる時、
実は仕事そのものよりも、体調やメンタルの不調が原因であることが多いです。
仕事で体調を崩したのか、
体調が悪くて仕事が辛いのか――
どちらが先かわからないこともありますよね。
そんな時こそ、積極的にセルフケアに力を入れましょう。
体調のセルフケア
私は「風邪をひきそう」と思った時点で、できるだけ早く休みます。
職場の忙しさを見ながらですが、可能なら全休、難しければ半休を取ります。
体調を完全に崩してからだと3〜7日かかるところ、初期段階で休めば1〜2日で回復できることが多いです。
メンタルケアも“体調”と同じくらい大切
日本では、体がしんどい時は休むのに、心が疲れた時は無理して出勤する人が多いですよね。
でも、メンタルも立派な体調の一部。
「仕事に行きたくないな」と思った時は、思い切って休むようにしています。
最近は「生理前はしんどくなる」といった自分のリズムも把握してきたので、あらかじめ有給を入れておくことも。
休む日は“ご褒美時間”にする
メンタルがしんどくて休んだ日は、
朝からお気に入りのカフェでコーヒーを飲んだり、
大好きな編み物をしながら映画を見たり。
ときにはケーキを食べて、自分をたっぷり甘やかします。
そうやって自分を大切にすることで、また前向きに仕事に戻れます。
自分をいたわることこそ、のんびり働く第一歩です。



我慢や忍耐を美徳とする人も多いですが、
本当に大切なのは、自分の機嫌を取る力。
どうしてものんびりできない時はどうする?
ここまで読んで、紹介した「のんびり働くコツ5つ」を実践しようと思っても、



いや、うちの職場じゃ絶対ムリだな・・・
と感じた方もいるかもしれません。
- 「仕事中にサボってたら怒られる!(薬局って狭いからすぐバレる…)」
- 「有給休暇なんて取れる雰囲気じゃない!」
- 「怒られてばかりで、のんびりどころじゃない!」
そんな声が聞こえてきそうです。
でも、はっきり言います。



そんな職場からはすぐに逃げてください。
ちょっとしたサボりも許されない。
有給が取れない。
これはつまり、職場自体に「余裕がない」証拠です。
余裕がない職場では、働く人たちの心にも余裕がなくなり、
結果としてお互いを責めたり、空気がピリピリしてしまいがち。
そんな環境で、あなたが体と心をすり減らして働く理由はありません。
- 「まだ入ったばかりだし…」
- 「すぐ辞めたら印象が悪いかも…」
- 「3年は続けなきゃダメ?」
そう思う気持ちもわかります。
でも、今は“合わなければ転職する”のが当たり前の時代です。
実際、私も未経験で入った薬局が合わず、1ヶ月で辞めました。
それでも、今の職場では5年以上、無理なく働けています。
病院や薬局はどこも同じ…と諦めないでください。
中には、人間関係が良く、優しい薬剤師に囲まれた職場も必ずあります。



「のんびり働くコツ」は、環境を変える勇気を持つことかもしれません。









