あやきむこんにちは、あやきむです。
今日は発達障害を持つ薬剤師が働きやすい仕事や職場の特徴を考えてみます。
前回は「なぜ働きにくいのか」をまとめましたが、今回はその続きです。
どんな仕事なら特性を活かせるのか、どんな職場なら続けやすいのかを紹介します。
👉前回記事をまだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
→ 発達障害の薬剤師はなぜ働きにくい?現場で見えた課題
発達障害の薬剤師に向いている仕事・職場
発達障害と一口に言っても、人によって特徴はさまざまです。
マルチタスクが苦手な人もいれば、得意分野に対しては驚くほどの集中力を発揮できる人もいます。
ここでは、薬剤師の仕事の中で「比較的働きやすい」とされる職場や仕事内容を紹介します。
ルーチンワークが多い仕事(調剤室、製薬企業の一部部署など)



毎日決まった作業をコツコツこなすのが得意な人に向いています。
大病院の調剤室や製薬企業の一部部署では、業務が定型化されています。
つまり、発達障害を持つ薬剤師にとって、安心して業務に取り組める環境があります。
もし転職しようと考えているなら、ルーチンワークがある職場かどうかを重視してみましょう。
製薬企業では、一部発達障害者枠としての採用があります。
この枠で採用された場合、特性にあった配慮があり、一般枠よりも業務を減らしてもらえるメリットも。
デメリットは、責任や業務範囲が狭まる分、給料は低くなる傾向にあります。
しかし、安定して働けることや大企業の福利厚生を考えると、挑戦する価値はあります。
【dodaチャレンジ】では、発達障害者枠の求人を取り扱っています。
対人業務が少ない仕事(DI業務、医療翻訳、治験関係など)



対人関係がストレスを感じる人には、対人業務が少ない仕事がおすすめ。
DI業務(医薬情報)、医療翻訳、治験関連業務(一部)では、書類作成やデータ処理といった業務が中心で、患者対応はほとんどありません。
薬剤師としての専門知識を活かしつつ、自分のペースで仕事を進められます。



実は、私もADHD気質があり、対人関係が苦手。
そこで医療翻訳の道を目指しています。
自分ペースで仕事を進められること・対人業務は基本メールであることが魅力です。
また後日、医療翻訳については記事をまとめてみたいと思います。
集中力や正確さを活かせる環境
発達障害の特性で「得意分野に対する圧倒的な集中力」「細かい作業へのこだわり」があります。
品質管理や製薬企業のデータチェック(QC業務)などでは、この強みを活かせることがあります。
仕事はマニュアルに沿ってやり、マニュアルから逸れた部分を指摘すること。



求人数は少ないですが、薬剤師資格が必要な業種もあります。
転職サイトに登録して、募集を待ってみましょう。
\ 薬剤師以外の仕事を探すなら /
発達障害の薬剤師が仕事を探すときのコツ



気になる仕事はあるけど、やっぱり私には無理かも。
と思うかもしれません。
ここでは、仕事を探すためのポイントを3つに絞って紹介します。
自分の特性を理解する(得意・不得意の整理)
「自分はどんなときに疲れるのか」「どういう作業なら集中できるのか」を具体的に書き出してみましょう。
また、過去に合わない職場があったなら、どういったことが我慢できなかったのかを書き出してください。



頭の中で考えるだけでは整理ができません。
必ず紙に書き出して考えてみて。
こうすることで、自分の得意・不得意が把握できます。
応募時や面接時にも特性を伝えやすくなり、ミスマッチを防げます。
障害者雇用枠を活用する
一般枠で就職を目指すなら、この項目は読み飛ばしてもらっても構いません。
もし、一般枠の仕事に疲れた・うつ病や適応障害になってしまったという方は、発達障害の雇用枠の利用を検討してみましょう。
多少給料は下がるかもしれませんが、配慮を受けながら働ける可能性が高まります。
また、大きな企業に就職できれば、長期間安定して働けるメリットもあります。
最近では、製薬企業や病院でも障害者雇用枠を設けているところは増えています。
ただ、自分で探したり交渉したりするのは大変なので、専門の転職エージェントを通じて採用情報を得るのがおすすめ。



発達障害の雇用枠の場合、一般枠と異なるので、専用の転職エージェントを使う必要があります。
特に【dodaチャレンジ】のような障害者雇用専門のエージェントは、大手企業の求人が多く、非公開求人を紹介してもらえることもあります。
相談は無料なので、「どんな職場なら働きやすいか」を一度プロに相談してみると、自分では気づかなかった選択肢が見えてくるはずです。
\ 仕事について問い合わせてみる /
就労移行支援サービスを利用する
さらに、もし離職中であれば、就労移行支援サービスを利用して「自分の特性を理解するトレーニング」を受けるのも有効です。



自分の特性を理解すると、どう仕事をすれば良いのか見えてきます。
例えばミラトレのような支援機関では、職場での働き方や特性を活かすコツを実践的に学べます。
\ 長く働き続けるための支援機関 /
パートや短時間勤務から始めてみる
一般枠での就職を目指すなら、最初はフルタイムでなくパートや時短勤務のできる職場を探してみましょう。
フルタイムほど、幅広い仕事を任されず、また体調不良による休みを取りやすいのもメリットです。
もし合わないと思ったら、その職場を辞めて、次の職場にも移りやすいです。
一度、うつ病や適応障害になると、完治は難しく、再発しやすくなります。
無理をしないことが一番大切です!
そして、もしパートや時短勤務で働いてみて、その職場や仕事があっていると感じたら、フルタイムや正社員を目指すのが一番安全なルートです。
無理なく働けるペースを探りながら、自分に合った働き方を見つけていきましょう。
周囲から見て必要だと感じたサポート
発達障害の人に必要だと感じたサポートをまとめてみました。
同じ職場で発達障害の人がいるという人は参考にしてみてください。
また自分が発達障害の当事者である場合は、次のことを職場に提案すると働きやすくなるかもしれません。
マニュアル化やルール整備
発達障害の人が働く上で苦労することが「職場の空気を読むこと」です。
今はこれやらなきゃダメ、あるいはこれをやってはダメ。
ということは職場で明確に書かれてません。
みんな、なんとなくその場の空気を読んで動いているのです。(特に調剤室の中では)
発達障害の人はその空気感がわからずに、求められていることと違うことをしてしまい、「仕事のできないやつ」という烙印を押されがちです。
しかし、発達障害の人には「指示されたこと・明文化されたことは遂行できる」という強みがあります。
例えば、忙しくなったらピッキング業務だけに集中する、投薬だけに集中するなど、上司と話し合ってルール整備をしてもらうと働きやすくなるでしょう。(投薬が苦手でもDo処方なら全て投薬するなど。)
得意な分野に集中できる配置にする
発達障害は、得意・不得意が人より顕著に出る傾向があります。
得意なことは人よりできるのに、不得意なことは人並みにできなかったりします。
能力が極端なのです。
あれこれと経験してみて、自分が一番得意なことを見つけましょう。
私が働いていた職場の子は、予製が得意だったので、全ての予製の監査を担当していました。
この能力は在宅中心の薬局では役に立ちます。
また、病院薬剤師なら注射調剤だけを担当するなども可能です。



「これが得意だ!」というものがあるなら、その仕事は全部引き受けるつもりでやると、周りの人に認めてもらいやすいです。
本人と職場の歩み寄りが大切
正直、発達障害の人が働くには、職場の理解が必要不可欠です。
そして、医療現場であっても、ASDやADHDの特徴を理解できる薬剤師は少数派。
多くの場合は変わり者扱いされるでしょう。
そうならないためにも、本人からは自分の特性を話して理解してもらうことが大切。
周りの人は、本や精神科医が発信するYouTubeを見て、特性を理解することが肝要です。
おすすめのYouTuberを紹介しますので、参考にしてみてください。
(私も多くのことをこの方から学びました。)
まとめ|発達障害でも薬剤師として仕事を続けられる
発達障害を持つ薬剤師にとって、働きやすさは「能力」ではなく「職場の相性」に左右されます。
働きにくい環境で我慢を続けるよりも、自分の特性を理解してくれる職場に出会うことが大切です。
最近は、発達障害の特性に配慮した雇用枠やサポートプログラムも増えています。
不安がある方は、転職エージェントや就労支援サービスを活用しながら、無理なく続けられる働き方を探してみましょう。
👉 「職場を変える」という選択は逃げではなく、薬剤師としての力を活かす前向きな一歩です。








