
派遣薬剤師、高時給で気になるけど、働く勇気ない……
と悩んでいませんか。
私も過去に、「お金は欲しいけど、派遣するのはちょっと怖いな……」と足踏みしている時期がありました。



ある時、あまりにお金がない!と悩んで、派遣薬剤師をする決心ができました。
そして、実際に働いてみると、思っていた以上に稼げて、楽に働くことができました。
もちろんしんどい部分も多くありましたが、高時給だと耐えようと思えるので不思議です。
今回は、派遣薬剤師のメリット・デメリットをまとめていきたいと思います!
派遣薬剤師ってどんな働き方?



派遣薬剤師とパート薬剤師って何が違うの?
派遣薬剤師もパート薬剤師も基本的に時給制で働きます。
働けば働いた分だけお金が入り、逆に休めばその分給料カットとなります。
どちらもボーナスや福利厚生は正社員と比べると劣っています。



大きく違うのは時給です!
パート薬剤師は時給2,000円前後が一般的なのに対して、派遣薬剤師は時給3,000円以上もたくさんあります。
派遣薬剤師は働き方の自由度も高く、週1~自分の好きな時間帯に入ったり、複数の職場を掛け持ちしたりもOKです。
派遣薬剤師 | パート薬剤師 |
---|---|
高時給3,000円以上もある 掛け持ちOK 週1~勤務時間の自由度高め いろんな職場を転々とする可能性あり | 時給1,800〜2,500円程度が一般的 掛け持ちOKかは職場による 週3~の職場が多め(週1OKのところもある) 同じ職場でずっと働く |
派遣薬剤師もパート薬剤師も両方経験してみて、パート薬剤師はゆっくり落ち着いて稼ぐイメージです。
基本的に同じ職場・人・患者さんに囲まれて働くので、業務も一度覚えてしまえばずっと安定しています。
一方で派遣薬剤師は、同じ職場で何ヶ月も働く場合もありますが、別の職場に行かなければならない可能性もあります。
薬局が変わるとやり方も変わるので、業務を覚え直す必要がありますが、高時給なので短時間でもたくさん稼げます。



今回は派遣薬剤師にスポットを当てて、メリット・デメリット紹介していきます!
実際に働いてみて感じたメリット
とにかく高時給。短時間で満足のいく給料
私が派遣薬剤師として働いたのは、週1で午前中4時間のみ。
時給はなんと3,500円もありました。(平均より高め)
時給3,500円 x 4時間 x 月4日=月収56,000円
実際は、残業も1時間ほど発生していたので約7万円ほど稼げていました。
パート薬剤師は午前中のみ週5で入っても15~18万程度だったので、週1で7万円近く稼げるのは大きかったです。



仕事は楽ではありませんが、勤務時間の負担は少ないのに、これだけ稼げると生活にかなり余裕ができます。
自分のライフスタイルに合った働き方を選択できる
私は当時小学2年生と1年生の娘がいました。
学童に入っていなかったので、昼過ぎには家に戻らねばなりませんでした。
派遣薬剤師だけでなく、週4でパート薬剤師や在宅の仕事も掛け持ちしていたので、長時間働く余裕もありません。
「短時間だけ働いて、スパッと稼ぎたい!」と思った私は、週1の派遣薬剤師に目をつけます。



週1、しかも数時間だけ働くなんて嫌がられないかしら?
と心配していましたが、薬剤師不足の薬局も多く、派遣元にも派遣先にも歓迎されました。
長く働ける人がありがたいことには間違いありませんが、育児や介護を理由に短時間しか働けなくても大丈夫なのが派遣薬剤師の最大のメリットです。(しかも高時給!)
人間関係のストレスは少ない傾向にある
仕事で何が辛いかって、人間関係に悩むこと。
職場の人とは、何時間も一緒に働かねばならないので、人間関係が辛いとやりにくいですよね。
もちろん、派遣でも人間関係のストレスはあります。
でも、「派遣って外部の人間だから蚊帳の外」って扱いのことが多いです。



がっつり仲良くはなれないけど、仕事だからと割り切れる人にはちょうどいい距離感でした。
実際、私が働いた職場でも、派遣職員は淡々と決まった仕事だけこなしていれば良い、という考え方の人が多かったです。
仕事も基本的な調剤・投薬・薬歴記入スキルは必要ですが、難しい調剤、ややこしい患者さんの対応、不足薬剤の手配などは薬局の人が行ってくれます。
職場に合わなければすぐ職場を変えれる
パート薬剤師なら、一度入った職場を変えるにはまた転職活動が必要です。
転職するたびに履歴書を用意して、転職エージェントや薬局と日程調節して、面接して……って、とにかく面倒臭い!!!
一方、派遣薬剤師は数ヶ月ごとに契約更新なので、もし合わないと思えば契約更新のタイミングで「別の職場で働きたいです。」と派遣元に伝えれば、薬局側と勝手に調整してくれます。
履歴書に何度も転職歴を書く必要もありません。
もし、万一人間関係が合わないところに入ってしまっても、すぐに辞めれます。
(そして、よほど条件が厳しくなければ、次の職場も見つかりやすいです。)



派遣薬剤師はそもそもずっと働くために雇われていないので、合わなければやめればいいと思えば気が楽ですよ。
いろんな薬局現場を見ることでスキルアップも可能



ずっと派遣してたらスキルや経験もたまらないよね……
って思っている人も多いですが、私は派遣でもやり方次第でスキルアップは可能と考えます。
確かに派遣(特に短時間の場合)だと、管理薬剤師やかかりつけ薬剤師のようなスキルはたまりません。
でも、派遣薬剤師はこんなスキルがたまります。
- いろんな処方箋を読み取る力
- いろんな薬(先発・ジェネリック共に)の知識
- 深く知らない人に囲まれながら働くコミュニケーションスキル
- 仕事の流れを臨機応変に読み取る力
まず、薬剤師としてのスキルでは①②が得られます。
いくつかの薬局に行って感じたことですが、現場によって処方箋の書き方も取り扱っている薬の種類も全く異なることです。
ひとつの薬局でしか勤めたことがない人は、いつもの処方箋の書き方・いつもの薬に慣れてしまって、イレギュラーな処方箋・薬剤に戸惑います。
派遣薬剤師なら、いろんなタイプの処方箋・薬剤に嫌でも慣れるので、勝手にスキルアップします。



そして医療現場では軽視されがちな③④は、社会人の基礎をなす大切なスキルです。
知らない人や慣れない環境に囲まれても、周りとうまく協働しながらやることはかなりハイスキルです。
管理薬剤師レベルの人でも、③④のスキルはないって人も見かけます。
薬剤師としての評価には直結しないかもしれませんが、③④は派遣薬剤師なら自然と身につき、もし将来的に薬剤師を辞めることになっても必要なスキルです。
ここは注意!派遣薬剤師のデメリット
いきなり契約更新止めになる可能性あり
これ、実際に私の身に起こった話なんですが、「新しい人が入ることになったから次は契約更新しません!」と。
詳しくはnoteで書いているので、気になる人は見てみてください。
探せば次の職場は比較的簡単に見つかるとはいえ、自分のペースは関係なく職場が変わる可能性があるのはデメリットだなと感じました。



わかっていたものの、こんなに簡単に終わるんだ!と実感できた出来事でした。
投薬ばかり行かされるなど、パート薬剤師より戦力扱いされる
「派遣薬剤師は時給高いんだから、ちゃんと働いてよね!」
直接言われたことはありませんが、このような無言の圧力を感じることはあります。
管理薬剤師やパート薬剤師はあまり投薬行かないのに対して、派遣薬剤師ばかり行かされる……というのは、私自身そうでしたし、私が見た派遣薬剤師の方もそうでした。
投薬や薬歴記載が苦手な方はちょっと辛いかもしれません。
ただ、派遣薬剤師は、在庫管理や予製調剤は任されることは少ないので、適材適所かなと思います。



とはいえ、患者さん並んでいるんだから、もっと投薬行ってよ!(泣)とは思います(笑)
福利厚生やボーナス面で劣っている
私は、正社員薬剤師・パート薬剤師・派遣薬剤師をしたのですが、派遣薬剤師は福利厚生やボーナスがあまりありませんでした。
派遣薬剤師でも長時間勤務すれば有給がもらえるようですが、短時間勤務であれば有給もなく、休めば休んだだけ収入はマイナスに……
ボーナスももちろんありません。



強いていえば、勤務日数に応じて、ウェブで研修を受けられたことくらいでしょうか。
時給がいいからと、たとえば週5で毎日8時間派遣薬剤師として働くのは、個人的にお勧めはできません。
(地方の時給5,000円くらいの案件で、数ヶ月でまとまって何十万稼ぐ!っていう目標などがある場合は除いて。)
フルタイム働けるなら、正社員薬剤師でしっかり福利厚生を得た方がのちのちプラスになります。
一方、主婦や副業として隙間時間を活用したい場合は、派遣薬剤師は超アリな選択肢です。
派遣が向いている人・向いていない人



派遣薬剤師って向き不向きあるのかな?
派遣薬剤師といえど、仕事内容は薬剤師なので、薬剤師である限りは仕事内容自体に向き不向きはあまりないと思います。
ただ、いろんな職場に行ったり、毎回違う人と働いたりしなければいけないので、そういう面では向き不向きがあります。
向いている人①:新しい人や環境に対応しやすい人
派遣薬剤師は数ヶ月おきに、違う職場を回らないといけないこともあります。
人見知りだったり、新しい環境に慣れるまで時間がかかったりする人は、派遣薬剤師は辛いかもしれません。
逆に、どういった環境下でも自分のペースで働けるという人は派遣薬剤師向きです。
向いている人②:短時間でしっかり稼ぎたい人
私は育児や介護をしている人にほど、派遣薬剤師をお勧めしたいです。
少しの時間を活用して、毎月しっかり収入が入るからです。
また、時間の融通も効きやすく(派遣元が交渉してくれるので)、短時間から勤務可能です。
時給はパート薬剤師の1.5倍以上あることも多く、納得のいく収入になるでしょう。
向いている人③:自由に働いたり休んだりしたい人
これは私の知り合いの話ですが、海外旅行が大好きな女性でした。
薬剤師資格をとったはいいけど、正社員だと好きに海外旅行に行けなくなる!とあえて派遣薬剤師の働き方を選んでいます。
数ヶ月派遣薬剤師の高時給な職場で勤務
↓
数十万貯める
↓
海外で1~2ヶ月過ごす
↓
日本に帰ってきて、また派遣薬剤師をする
こんな感じで働いていて、彼女自身満足度の高い人生を送っています。
このようにずっと働くだけの人生は嫌!と思っている人は、派遣薬剤師が最適解かもしれません。
向いていない人:安定志向が強く、同じ職場で働きたい人
- 顔見知りの職場の人に囲まれて、安定的に働きたい
- 薬剤の棚や分包機が変わるとパニックor負担に感じる
- 収入はあまり重視しておらず、安定的に働くことが大切
このような人は、派遣薬剤師より正社員薬剤師やパート薬剤師が向いています。
とくに派遣薬剤師は「あくまで派遣」と輪の中に入れてもらえないことも多いです。
そういった対応に「これは仕事だから仕方ない」と割り切れない人は向いていないでしょう。



とはいえ、私も寂しく感じました!理想は平等に扱ってもらえることですが、現実問題は難しいですね。
まとめ:「派遣」は挑戦する価値ありな働き方
世間のイメージでは、「派遣=使い捨て」のような悪いイメージがつきまといます。
しかし、派遣薬剤師は高時給で自由な働き方が可能というメリットも大きく、使い方によっては武器にもなります。
自分にしっかり働く時間は取れないけど、空いた時間を使って効率的稼いでみたいと思う人は、派遣薬剤師にぜひ挑戦してみてください。
私の派遣薬剤師体験談:「パート薬剤師だけじゃ足りないから。土曜派遣で月7万円の副収入を得た話」





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