こんにちは、あやきむです。
今日は、少し個人的なお話をします。
私が「5年後、薬剤師を辞めて医療翻訳者になる」と決めた理由について。
このブログでは「薬剤師に飽きた」「このまま働き続けるのはしんどい」など、ネガティブな話題が多くなりがちですよね。
私がそう思っているから、こういうネタを取り扱っているのですが……
これは私だけではないと思っています。
薬剤師として働く中で、
- 仕事自体は嫌いではない
- でも心のどこかでずっとモヤモヤしている
- 「このまま何十年も同じ日々を続けるのかな…?」という不安がある
そう感じている方はきっと多いのではないでしょうか。
私もまさに、その一人でした。
なぜ薬剤師を辞めようと思ったのか
私も薬剤師の仕事にうんざりしている
私自身、ずっと薬剤師の職にネガティブな印象を持っていました。
実は、もともと薬剤師になりたいわけではなかったのです。
医療従事者にも憧れたことはありませんでした。
ただ、学生時代になんとなく薬学部を受けて、受かったから薬剤師になった。
そんな感じで、働いてからもイマイチ薬剤師という職に納得感がありませんでした。
好きな仕事ではないので、頑張ろうという気持ちもイマイチ起きず悪循環に。
(薬剤師は頑張って昇進しても、店舗管理や管理薬剤師という仕事しかなく、それらの仕事は私にとって魅力的ではなかったのです。)
あやきむ仕事が好きでない→頑張れない→さらに面白くなくなるという悪循環。
このまま一生薬剤師なのか?という焦り
それでも、私も生活があります。
ローンは返さなきゃだし、娘2人も育てなきゃだったので、仕事を辞めるという選択肢はありませんでした。
自分の本心に嘘をつきながら、数年薬剤師として働いていたある日。
「この先まだ何十年も働くのに、ずっと好きではない仕事をしなければならないのか?!」
と唐突に自分の中で疑問が湧いてきました。



今から違う道を探した方がいいかもしれない、と思った瞬間です。
最低賃金が上がってきているのに、診療報酬は下げられるばかりで、医療従事者の給料が相対的に見て低くなってきていることも原因の一つです。
将来が見えなくなりました。
医療翻訳という選択肢を見つけたきっかけ
医療の知識をそのまま活かせる仕事だった
薬剤師を辞めるといっても、世の中には本当にたくさんの仕事があります。



最初は私も、SNS運用や物販など、いわゆる“流行りの副業”をいろいろ調べました。
でも最終的に、「せっかく積み上げてきた医療の知識を活かせない働き方はもったいない」と思うようになりました。
薬剤師としての実務経験や、CROでの治験文書に触れた経験は、医療翻訳に直結します。
その上、私はもともと語学と文章を書くことが好きでした。
逆に、対人コミュニケーションは得意ではないので、人と会う仕事よりも「文章」や「情報」を扱う仕事の方が私には向いていると感じました。
それに、医療翻訳は意外と高収入です。
例えば、フリーランスとして経験を積んでいけば、
薬剤師と同じくらい、もしくはそれ以上の年収も十分に狙える仕事です。
「好きなこと × 得意なこと × これまでの経験」を掛け合わせた結果、自然と医療翻訳にたどりつきました。



この雑誌を買ったのもきっかけのひとつ。
「翻訳してみたいな」っていうぼんやりした思いから
「将来医療翻訳になる!」という目標に変わりました。
在宅で働ける
医療翻訳は、基本的に在宅でできる仕事です。
フリーランスとして活動している人も多く、場所に縛られません。
子どもが二人いる私にとって、
通勤がなく、家にいられる働き方はとても魅力的でした。



将来的には海外に滞在しながら働くという生活にも憧れがあります。
医療翻訳なら、それも実現できると思いました。
知識が増えていく過程が楽しかった
薬剤師の仕事は、ある程度慣れるとルーティン作業が中心になります。
正直、私はそこに「成長」を感じられませんでした。
でも医療翻訳は違います。
知らない疾患、用語、治療薬、ガイドライン……
勉強すればするほど、理解できる世界が広がっていきます。
もちろん、楽な道ではありません。
朝早く起きて勉強して、仕事が終わってからまた勉強する日々です。
だけど、「昨日より少し知識がレベルアップした自分」 になれるのは、何よりの喜びでした



最初は勉強するのが辛かったですが、今ではもっとできるようになりたい!と思うように。
今やっている準備
同じように、薬剤師から医療翻訳を目指している方の参考になるかもしれないので、
今の私の取り組みを紹介します。
翻訳スクールに通う方法もありますが、数十万円はかかります。
まずは 「独学でどこまで行けるか」 を試してみることにしました。
(1年勉強してダメなら、そのとき必要な投資をすればいい、という気楽なスタンスです。)
いきなり翻訳トライアルを受けて惨敗した話
医療翻訳者になろうと思ったとき、私は勢いで2社ほどトライアルを受けました。
結果は、もちろん惨敗。
文章の意味は理解できても、「訳す」作業は全く別物でした。
- 1文を訳すのに辞書を何度も引く
- 訳語を迷う
- 日本語として自然か悩む
- 疾患名や治療法を調べ直す
短い文章でも脳がオーバーヒートしたのを覚えています。
でも、そのうち1社からは
「意味は取れている。ただ、翻訳者としては知識があと一歩」
というフィードバックをいただきました。
この言葉は、私にとって大きな転機でした。
- 完全な無謀ではない
- 勉強さえすれば手が届く世界
そう確信できたからです。



いきなりトライアルは無謀ですが、挑戦してよかったです。
「無理」と決めつけて動かない方が、よっぽど遠回りだったと思います。
まずは翻訳チェッカーから目指すことにした
トライアルを通して、
「今のままでは翻訳者として仕事をこなす体力が足りない」と自覚しました。
そこで見つけたのが 翻訳チェッカーという仕事。
翻訳チェッカーは、
- 翻訳者が訳した文章を
- 原文と照らし合わせて
- 誤訳や意味のズレを確認する
という仕事です。
翻訳者になる前にチェッカーを経験している人は多く、実務経験としても非常に役立つことがわかりました。



「まずはチェッカー → その後翻訳者へ」
このルートが、私には合っていると思っています。
今はとにかくTOEICで英語力の証明をつくる
チェッカーの募集要件を見ると、
- 医療知識があること
- TOEIC800点以上の英語力があること
という条件がよく載っています。
①は薬剤師資格である程度クリア。
問題は②。
TOEICは就活時に取った 785点 以来、10年近く受けていません。
「英語は好きだけど、得意と胸を張れるほどではない」
これが現状の自分です。
だからこそ、まずはTOEICで英語力の証明をつくることにしました。
今は、
- 朝にリスニングと長文
- 夜に文法と単語
- 合間に医療英語の本で気分転換
という形で、少しずつ強化しています。



使ってる本はこれです。学生時代に785点取った時に使っていたもので、今もリニューアルされて売られていたので買い直しました。



量が多いですが、TOEICは筋トレと同じで「毎日少しずつ」が効果的。
英語の筋肉を育てるつもりでコツコツ進めています。
5年後の理想
ここまで、医療翻訳という選択肢を見つけた理由や、現在の取り組みについて書いてきました。
とはいえ、いきなり薬剤師を辞めてフルタイムで翻訳者になるつもりはありません。
私の計画は、5年かけてゆっくり、確実にシフトすることです。
- まずはTOEICでスコアを上げる
- 翻訳チェッカーとして実務経験を積む
- 翻訳力・医療英語力を強化する
- その上で、翻訳者として独り立ちを目指す
今は薬剤師のパート勤務を続けながら、少しずつ準備をしています。
収入が安定するまでは、薬剤師という土台を手放すつもりはありません。
最終的な理想は、5年後。
- 在宅で働ける医療翻訳者になっていること
- 薬剤師の正社員と同等以上の収入を得ていること
- 自分のペースで働き、家族との時間を大切にできていること
これが、私が叶えたい働き方です。
このブログでは、その過程も含めて記録していくつもりです。
うまくいかなかった日も、立ち止まる日も、成果が出た日も。
同じように悩んでいる薬剤師さんへ、
「こんなキャリアの選び方もあるよ」と示せるように。
私自身の未来をつくると同時に、同じ場所で悩んでいる誰かの道しるべになれたら嬉しいです。













