欠点を武器に。ADHD薬剤師が「楽に働けるようになった」方法

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悩める薬剤師

ADHDだから働きにくいのかな。今の職場からもう逃げ出したい。

ADHDの特性を持っている人なら、人生で一度はこんな悩みにぶち当たるのではないでしょうか。
(一度だけならまだしも、何度も同じことで悩んでいる人も多いはず。)

ADHDの薬剤師で仕事に悩んでいるのはこんな感じが多いです。

  • ミスが多くて、怒られる・嫌われる
  • なぜ周りと同じように働けないのか悩む
  • 「自分ダメかも」「才能ないかも」と自己嫌悪に陥る
あやきむ

たしかに、ADHDの特性があると、向いていない職場があるのは事実。
そんな職場で働いていると、仕事ができない自分に嫌気がさします。

しかし、ADHDは「A分野は人より苦手だけど、B分野は人より突出してできる」という特性があります。

つまり、得意と苦手なことが普通の人よりはっきりしているので、得意分野で仕事を見つけることがとても重要になります。

この記事を書いている人
  • 精神科薬剤師として5年勤務
  • うつ病・発達障害など、精神疾患を抱える多くの患者さんの服薬支援を経験
  • 2児の母として、働き方や仕事の負荷にも常に向き合ってきた薬剤師
目次

ADHDの特性=欠点じゃない

あやきむ

SNSを見てて思うのが、世間の発達障害に対する理解が低く、偏見が多いということ。発達障害は欠点ではありません。

発達障害・ADHDに対するよくある誤解

発達障害やADHDと聞くと、どのようなことを思い浮かべますか?

  • 集中力がなくて、落ち着きがない
  • 忘れ物多い、整理整頓ができない、物をよくなくす
  • 空気読めない

だいたいこんなイメージがあるのではないでしょうか。

これらは実際は性格ではなく「脳の特性」からきているものです。
もっというと、ADHDには「注意散漫」型と「多動性・衝動性」型があり、それぞれ出てくる症状も困り事も違います。

これらは自分をコントロールできない子どもの頃は顕著に特性が現れやすいです。
(小学校で授業中に歩き回る子とかいてましたよね。昔は発達障害という概念があまり知られておらず、「落ち着きのない子」「変わった子」として見られていた時代でした。)

一方で、ある程度大人になり、自分にはどういう特性があるのか・どういう考え方の癖があるのかを把握し、対策をすることで、ある程度困り事を減らすことができます。

ミニコラム:あの偉人もADHDだった?

ADHD=使えない奴みたいな偏見がありますが、実は歴史上の偉人や経営者にもADHDの人は多いです。

有名どころでいうと……(*諸説あります)

  • トーマス・エジソン(発明家)
  • レオナルド・ダヴィンチ(芸術家)
  • ピカソ(芸術家)
  • モーツァルト(音楽家)
  • アインシュタイン(物理学者)
  • スティーブ・ジョブズ(実業家)
  • J・F・ケネディ(政治家)
  • 織田信長

このリストを見るだけでも、ADHD=使えない奴ではないことがわかりますね。

ADHDには突出した集中力やユニークな発想、好奇心旺盛という強みがあります。

例に挙げた人ほど天才ではなくても、才能をどういう風に使うかが大切なのです!

私が感じてきた働きづらさ【薬剤師のリアル】

実は私も、ずっと働きづらさを感じながら仕事をしてきました。
薬剤師として働く前から、学生時代のアルバイトから周りの人と同じように働けないとコンプレックスだらけだったのです。

具体的に私が働きづらいと思った理由
  • 薬の先発・後発を覚えられない
  • 薬の棚をすぐに覚えられない
  • 調剤鑑査の途中で話しかけられるとミスする
  • 薬剤師や患者さんとのコミュニケーションをうまく取れない
  • マルチタスクの仕事(調剤+鑑査+投薬)が続くとパンクする
あやきむ

そもそも薬局に時間ギリギリにしか着けないという悩みもありました。
(他の人は15分前に出社しているのに!)

最初は
「私が仕事に向いていないからダメなんだ」
「能力が低いんだ」
と、自分を責めてばかりでした。

しかし、精神科門前の薬局で働き、発達障害について勉強していくうちに、ADHDの特性があるから働きづらかったことが理解できるようになりました。

ADHDの特性があるから働きづらかったんだ、と分かってからは、

  • 働き方を変える
  • 環境を選ぶ
  • 無理をしない

という選択ができるようになり、今ではずいぶん楽に働けるようになりました。

次のパートで具体的にどういう特性を武器にして働くようになったのか紹介していきます。

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ADHDの特性が武器になった瞬間

過集中を武器に、みんなが嫌がる「1人で集中できる仕事」を選ぶ

ところで、仕事のできる・できないってどういう風に決まるんでしょう?

周りの人が「あの人は仕事ができるから〜」って言われている人を観察していると、
ただ単に仕事をやってるアピールが得意なだけだったり、
みんなが苦手な患者さんの対応がうまいだけだったりします。

つまり、本当に仕事がめちゃくちゃできるわけでなく、周囲からのなんとなくの評価で決まります。
(企業だとしっかりした評価制度がありますが、病院や薬局などの狭い職場では特にこの傾向が強いです。)

あやきむ

そこで、私は過集中が活きる仕事を考えてみました。

例えば、薬剤数が多くてみんなが敬遠しがちな患者さんの一包化の鑑査を引き受けたり、大量に作る予製の鑑査を引き受けたりしました。
「これをやる」と決めると集中できるタイプだったので、決めたことは比較的スムーズに処理できました。

これらはみんながしたがらない仕事だったので、自然と「仕事そこそこできるやつ」の評価になりました。

興味のあることならハマれるのを武器に、興味のある診療科へ

ADHDをはじめとした発達特性のある人は、興味のある分野に強く集中しやすい傾向があります。

私は最初、内科メインの調剤薬局にいました。
そこでは、血圧や高脂血症、糖尿病の薬がメインで出ていました。

あやきむ

しかし、私はどうしても内科系の薬に興味が持てませんでした。

それもそのはず。
私は学生時代から精神科に興味があり、一方で普通の学生が興味を持つ内科やがん領域にはあまり興味がなかったのです。

そして、たまたま精神科門前の薬局に就職できたこともあり、精神科の薬を扱うようになりました。

もともと興味がある分野だったので、今では楽しく働けています。

小ネタですが

ちなみに精神科は働く人も患者さんも、個性が強い方が多い印象です。
世間のメジャーには入れず、マイナーな生き方な人が多いのです。

これが発達障害との相性がよく、働く側としても働きやすく感じます。

あと、意外と精神科の患者さんは優しいので、せかしてくる人もあまりいません。
(たまに病気の症状で怒りっぽくなる時はありますが、病気のせいなのであまり気になりません。)

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枠にハマらない発想力で、薬剤師以外の副業をやってみる

私の場合ですが

  • 人に教えられたやり方でやるのが苦痛
  • 毎日同じことを繰り返すのが苦痛
  • そもそも仲良い人でもずっと一緒にいるのは苦痛

という悩みがありました。

今の薬局で働いている人とはとても仲がいいです。
しかし、ずっと一緒にいるのはしんどいし、同じ仕事を繰り返すのも飽きてしまいます。

そこで、正社員を辞めて、薬剤師はパートにして短時間に変えました。

そして余った時間で

  • 在宅ワークで家で仕事をする
  • 派遣やタイミーで気分転換に違う職場で働く
  • ブログなどの自分でお金を稼ぐ方法を考える

という働き方に変えました。

薬剤師で正社員をしていた時よりは、収入は不安定かつ少なくなってしまいました。
でも、代わりに人生の満足度はすごく上がった気がします。

あやきむ

生活にあまりお金をかけなければ、こんな生き方もできるのです。

薬剤師×ADHDの私が向いていないと感じた薬局

大手チェーンの薬局

私は最初、某大手チェーン薬局に就職しました。
が、こことは最悪に相性が悪かったのです。

  • 大手故にマニュアルがガチガチすぎる
  • 散薬や軟膏の秤量が機械でしっかり行われるので、仕事量が多い
  • 働いている人も真面目な人が多い
  • 有給や休憩時間が厳密管理

大手なので、業務がマニュアル化されていました。
調剤ミスをなくすために、錠剤も散薬も軟膏も全て機械で秤量して記録記録記録……

調剤記録のために指紋認証が必要なくらいでした。
(それも全ての患者さん!!!)

そして、休憩時間はタイマーを持たされていきました。
1分でも遅れることは許されない環境でした。

あやきむ

時間管理や調剤管理は大切ですが、あまりにギチギチに縛られすぎて窮屈でした。

何よりも、そんな環境で働いている人はすごく真面目な人ばかり。
真面目といえばいい印象ですが、同僚として働くには少し圧が強かったです。

今は個人薬局に行きました。

  • 散薬や軟膏はそこまでしっかり計らなくていい(もちろん誤差10%以内には収めます)
  • 多少遅刻してもくればOK(朝の道路って混むよね)
  • 休憩時間も自己責任(暇だったら少し長く休んでいいよってスタンス)

ですごく働きやすくなりました。

管理薬剤師が厳しすぎる個人薬局

大手は合わないと言いましたが、個人薬局でも合わないパターンはあります。
それが、「管理薬剤師が厳しすぎる薬局」です。

薬剤師といっても、誰しも一度は調剤ミスをした経験があるはずです。
そんな時、管理薬剤師の反応は大きく2パターンに分かれます。

① 優しいタイプ

「誰でもミスはあるよ。次から気をつけようね。」

② 厳しすぎるタイプ

「私が責任取らないといけないのに迷惑!
薬剤師なのにミスするなんてあり得ない!」

ミスの内容にもよりますが、

  • 錠数の間違い
  • 先発希望の方にジェネリックを出してしまった

など、比較的軽微なものも多いですよね。

この場合、すぐ連絡すれば患者さんも許してくれることがほとんどです。
(常連さんならなおさらです)

そして、患者さんへ謝罪の電話をするのは、管理薬剤師であることが多いです。

①のタイプの管理薬剤師なら、「謝るのは手間だけど、まあ仕事のうちだよね」と、さっと対応してくれます。

一方、②のタイプは

  • 自分に余裕がない
  • 常にピリピリしている

ことが多く、謝れば済むようなミスでも、周囲に当たり散らしてしまうことがあります。

あやきむ

正直、そんな怒らなくても……と思ってしまう場面が多いです。

薬局の雰囲気は、管理薬剤師の性格でほぼ決まります。

いくら他のスタッフが優しくても、管理薬剤師が厳しすぎると職場の空気は一気に悪くなります。

なので私は、

「誰と働くか」
「管理薬剤師がどんな人か」

を、薬局選びでかなり重視するようになりました。

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ADHDの特性を活かした薬局選び

私の基本的な職場の選び方

上でも書いたように、

  • ルールでギチギチの薬局
  • 管理薬剤師がミスに厳しすぎる薬局

は、できるだけ避けるようにしています。

ADHDの人は、ケアレスミスが増えやすい傾向があるからです。
(とはいえ、重大なミスをしやすいという意味ではありません。むしろ注意しているので、大きな事故は起こしにくいと思っています。)

なので私は、

  • ある程度、働き方に寛容な薬局
  • 個人の責任が重すぎない薬局(複数人で監査する体制など)
  • ミスだけでなく、良いところも見てくれる「加点方式」の薬局

を選ぶようにしています。

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平均年齢が高い薬局

いろいろな薬局を見てきて感じたのが、

「若手ほどミスに厳しい傾向がある」

ということです。(もちろん全員ではありません。)

今の若い世代は、ミスが許されにくい環境で育ってきた影響か、自分にも他人にも厳しくなりがちだと感じます。

一方で、年配の薬剤師はどうでしょうか。

昔は今ほど鑑査が厳密でなく、「重大なミスでなければOK」という考えの方も多い印象です。

長年の経験から、多少のミスは誰にでもあると、受け止めてくれる方が多いです。

若手が来てくれるだけで嬉しい!

という薬局も実際にあります。

年配の方は

  • 錠剤の刻印が見えづらい
  • 一包化の鑑査が大変

ということもあり、それを手伝うだけで、とても感謝されることもあります。

機械操作が苦手な方も多いので、

  • 薬歴入力が早い
  • PC操作が得意

というだけで重宝されることもあります。

綺麗な薬局や大手薬局には若手が集まりがちですが、町の個人薬局は平均年齢が高いことが多いです。

患者さんもルーチンの方が多く、ADHDの人にとって働きやすい環境だと感じています。

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まとめ:ADHDでも薬剤師として、ちゃんと生きていける

今日はADHD薬剤師の特性の強みについて、紹介しました。

私も特性のために、これまで人とは違う苦労が多かったです。

しかし、自分に合う職場を見つけてからは、苦労が激減しました。

  • 集中できる安定して、興味のある分野の薬局を選ぶ
  • 大手薬局などのルールや業務が多い薬局を避ける
  • ミスをしても許してもらえる薬局を選ぶ
  • そもそもミスが起こりにくい構造の薬局を選ぶ

これが薬局選びでとても重要になります。

ADHDがあっても、職場次第で薬剤師としてやっていくことは可能です。
ADHDで薬剤師として働いている人も世の中に多くいます。

あやきむ

なんで自分だけできないんだろう、と思わずに、自分に合った職場を探してみてくださいね。

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この記事を書いた人

34歳|6yと5yのママ|精神科門前の薬局薬剤師|元・CROモニター|子どもの小学校入学と同時にパート薬剤師になりました|2023年〜将来のためにインデックス投資と副業を開始

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