【転職体験談】CRAを辞めて薬局薬剤師に。私が「肩の力を抜いて働く」道を選んだ理由

  • URLをコピーしました!
この記事を読むのにかかる時間: < 1

CRAしてるけど、なんか最近しんどいな。薬剤師資格あるし、薬剤師になるのってどうなんだろう。でも、環境が変わるのって不安だな。

こんな風に悩んでいませんか?

ゆるみ

実は、私も元CRAでした!でも、やめて薬剤師になりました!

当時のことを思い出すと、

  • 大手だったCROをやめて薬剤師になるのは勿体無い?
  • 給料や福利厚生も悪くなる?
  • 在宅ワークできなって不便?
  • フレックスもできないからどうしよう!

と不安だらけでした。

でも、転職してもう5年ほど経ちますが、胸を張っていえます。

薬剤師に転職して良かった!!!と。

今日はCRAから薬剤師に転職するかどうかで悩んでいる人に、私の経験をシェアしたいと思います。

目次

CRA(臨床開発モニター)として働いていた頃

ゆるみ

少し自分語りになりますが、お付き合いください。

新卒でCRAを選んだ理由

私は新卒でCRAになりました。就活のときは、病院や薬局は受けておらず、企業まっしぐらでした。

人と話すのがどちらかといえば苦手だったので、MRは選ばずCRA(臨床開発モニター)になりました。

もともとデスクワークや書類仕事が好きだったことや、英語にも抵抗がなかったので、「臨床試験に関わる仕事ってかっこいいかも」という軽い気持ちがきっかけでした。

大きくてピカピカのビルで働くのは誇らしかったし、病院や薬局よりもフレックスタイム制度や在宅制度があり、働きやすさも感じていました。

そして、何より新薬の開発に関われているというやりがいも感じていました。

やりがいはあったけれど、私には合わなかったこと

やめた私がいうのはおかしいですが、CRAは今でも憧れの仕事です。

新薬の開発の一端を担って、全国あちこちの施設を飛び回り、医療機関の人とやりとりをして、さらにはクライアントと時には英語でやりとりをする。

単純にすごくかっこよくないですか?

ただ、私には合いませんでした。

私がCRAに合わなかった理由
  • 思っていた以上に社内外の人とコミュニケーションが必要
  • コミュニケーションをとる相手はみんな優秀なので、プレッシャーがつきまとう
  • 会社が大きいと自分で采配できる仕事が限られていて、自分が何の役に立っているのかわからない
  • 早めに産休育休を取ったので社内で干され気味に……

いろいろ理由はありますが、一番の理由は子どもが生まれたことです。

私がCRAをしていたころは、産休育休が広がり出した頃で、今ほど寛容な空気ではありませんでした。

何年、何十年とCRAを経験した人でもママになると、途端に内勤業務に回され、あまり評価されず、やる気を失っているのを見てきました。

ましてや1年ほどしか経験がない私は、明らか会社のお荷物状態に……

上司に働いていること自体を迷惑がられたことも数知れず……

しかも、CRAの業務はGCPやクライアントのルール、英語での報告書の書き方など、学ぶことが多くて、育児しながらは上手くこなせず辞めることにしました。

ゆるみ

職場の人はプライベートでは優しいですが、仕事ではみんな余裕がなく、助け合いの文化もなかったです。

職場での息苦しさやプレッシャーで体調を崩した

実は、CRAとして働いていた最後の方は体調を崩していました。

当時は若かったので「ちょっと体調悪いな?でもまあ大丈夫かな。」と自分の体調を無視して働いていました。

子どものために働かねばならないとさえ思っていました。

でも、体調不良は我慢できないほどに。

ちょっとこれはおかしいぞ?
こんなに苦しいなら仕事を辞めてもいいんじゃないか?
と辞めることを意識し始めました。

ゆるみ

理系は真面目な人が多くて、みんなストレスを我慢しがち。気づいたら、取り返しのつかないことになってた!って人も見かけます。

転職を考えたきっかけと、薬局勤務を選んだ理由

出産・育児が働き方を見直すきっかけに

私が転職を考えたきっかけは出産・育児です。

いくら在宅勤務やフレックス制度と働きかたが整っていても、職場がストレスフルだと意味がないと気づいたからです。

育児中の私にとっては、職場でのストレスが家庭や育児にまで悪影響を及ぼしてきて、「辞めよう」と決意しました。

当時の私は精神的にダメージを受けており、他の会社に再チャレンジする気力もなかったので、薬剤師として働くことにしました。(CROで働いていても、CRA→薬剤師に転職する人はすごく多かったです。)

ゆるみ

同期も何人か薬剤師になっていました。みんな薬剤師になってるし、私もなってみよう!みたいなノリでした。

薬剤師として働く不安はあったが、職場が家から15分で生きやすくなった

私はCROに5年くらいいたので、転職する頃には薬剤の知識もすっかり抜け落ちていました。

CRAとして働いていると、自分の担当する疾患領域は詳しいけど、そのほかは全然わからないとなりがちです。

当時、関節リウマチの試験を担当していた私は内科系の薬に詳しくなく、薬局に入って「アムロジピン……?何それ?」と焦ったことを思い出します。

一般名でもそんな感じなのに、「ノルバスク」「アムロジン」などの商品名もたくさんあり、最初の方はやっぱり「薬剤師向いてないかも?!CROに戻りたい!!!」って思っていました。

そんな困難もありましたが、数ヶ月働くと薬局内の薬剤はほとんどわかるようになりました。

さらに、CROの時は通勤に1時間以上かかっていたところ、薬局は通勤15分で生きるのが楽になった感覚がありました。

ゆるみ

CROで働いている時よりも頭を使わず、頭と体を程よく使うので、健康にも良かったです。

薬剤師は正社員・パートタイム・派遣を選べて、女性に合った働き方

いくら男女平等といっても、実際のところは女性が出産・育児、さらに介護までしなければならないことが多いです。

そんな時、CRAとして働いていたら、正社員(時短は子どもの年齢制限あり)しか働き方が選べず、とても困っていました。

働きたくないわけではないけど、正社員で1日8時間働くのはきついな……
通勤に1時間かかるし、子どもが小学生に上がったらどうしよう……
フルタイムで働いている男性と評価制度一緒なのきついな……

CRAで働いている時はこんなことばかり考えていました。

でも、薬剤師になると決めたら、正社員・パート・派遣など、働き方は多種多様であることに気づきました。

平日朝だけくる子どもが小さいママ薬剤師、フルタイムで働く子どもが大きいママ薬剤師、週2日だけくるおばちゃん薬剤師、昼間はゴルフをしたいからと夜だけ入る趣味重視系の薬剤師まで。

ゆるみ

え!こんな自由に働いても生きていけるんだ!

これは1番の衝撃でした。

CRAの時は、みんな同じ働き方だったけど、薬剤師って意外と多種多様かも。
人生のライフイベントに合わせて、シフトを減ったり増やしたりできるし、なろうと思えば母親でも管理薬剤師になってキャリア重視でも働ける。

そして、管理薬剤師になれば、私が普通にCRAで働いてた頃より年収高い!(あまり評価されていなかったので。)

ということに気づき、薬局に転職しました。

ちなみに、病院は医師や看護師などいろんな人と関わる必要があるのと、地下に薬剤部があるのが嫌で候補から除外しました。

薬局で薬剤師として働いてみて感じたこと

CRA時代とのギャップと、よかったこと

CRA時代とのギャップで良かったのは、次のようなことです。

  • 職場が圧倒的に近い
  • 頭も動かすけど、体も動かしてストレス解消になる
  • 朝は忙しいけど、午後は比較的ゆっくりでメリハリが◎
  • 薬の知識は勉強しながら調剤・投薬しても問題なかった(これは現場の雰囲気による)
  • 1つの薬局が合わなくても、調剤経験があればどこでも採用される
  • 患者さんと話すのは楽しい(ただ、面倒臭い患者さんもいる)

私が思っていた以上に薬局勤務にはメリットがありました。

CRA時代はずっとデスクワークで、目と肩がガチガチだったのが、薬局で調剤しながら動いているだけで健康面も調子良くなったのも大きいです。

あと、CRA時代のコミュニケーションは対クライアントや医者など、気を遣う相手ばかりでしたが、薬局で話すのは患者さん。

「今日は暑いね〜」
「検査結果どうだった?」
「もっと歩かないとダメよ」

近所のおじちゃんやおばちゃんと話している感覚で、こんな日常会話の延長に癒される瞬間もあります。

何より患者さんから「ありがとう」と言われるのは嬉しいもの。
CRA時代はメールで「ありがとうございます。」って送られてくることはあっても、どこか他人行儀でしたから。

ゆるみ

CRAと違って、就業時間が終われば完全オフ!みたいな感じも好きです。

専門職としてのやりがいがある

正直、CRAから薬剤師でランクダウンじゃない?と思うこともありました。

でも、薬剤師をやってみると、薬剤師は専門職としてやりがいのある仕事だと感じました。

併用禁忌の薬剤が処方されていると気づいたとき
処方の用法や用量が添付文書通りでなく、間違っていることにきづいたとき
患者さんから薬の相談を受けたとき

こんなときに仕事への充足感があります。

難しい業務をしているときにやりがいを感じることもありますが、患者さんに頼られているときが何よりもやりがいを感じる瞬間です。

ゆるみ

人って頼られると頑張りたくなるんです。

収入は減ったけど、働き方のバランスは◎

私はCRA正社員→薬剤師正社員に転職したのですが、正直収入は減りました。

月々の給料は微増したけど、ボーナスが激減って感じです。

ただ、CRAは月収が3000円ずつくらいしか上がらなかったのに対して、薬剤師は評価されてなくても(というか評価制度がない)年々1万円ずつ手取りが増えていきました。(これは中小薬局だからで、大手は違うと思いますが……年功序列みたいな感じで増えていっていました。)

ずっと働き続けていた場合で、子育てなどで昇進が見込めない場合は、CRAよりも薬剤師の方が年収は高くなる傾向にあるのでは?と思います。

また、今は正社員を辞めてパートという働き方を選んでいます。
正社員の半分以下の収入しかありませんが、子どもの生活に合わせて仕事が終わることに満足しています。
正社員に戻りたくなったら、いつでも戻れるのもポイント高いです。

ゆるみ

パートやりながら、週一で派遣に行くハイブリッドな働き方もしています。

CRAを辞めようか悩んでいる方へ伝えたいこと

「辞めるのは逃げ」じゃない。ライフステージで選択肢は変わっていい

「せっかくCRAになったのに辞めたらもったいない」
「ここで辞めたら逃げになるかも」

そう思って、限界を感じながらも続けている方も多いのではないでしょうか。

昔の私もそのように考えていた時期がありました。

でも、CRAを辞めて薬剤師になった今だからいえます。

それは全然「逃げ」ではありません。

むしろ、働き方や人生の軸を自分で見直して、次の選択をするというのは、とても前向きなことで、自信を持っていいです。

我慢して働き続けて、「あのとき転職しておけば……」とあとになって後悔する人も少なくありません。

人の価値観は、ライフステージによって変わっていって当たり前。
出産や育児、体調やメンタル、パートナーとの関係や家庭のあり方。
そういった環境の変化に合わせて「今の自分に合う働き方」を選ぶのは、自然なことです。

ゆるみ

自分が前向きに生きられる選択をするのが一番なのです。

資格を活かせる薬剤師だからこそできる、柔軟なキャリア設計

薬剤師の強みは、資格そのものにあります。

正社員だけでなく、パートや派遣、在宅、企業、ライターなど、いろいろな働き方が選べるという点では、他の職種にはない柔軟さがあります。

私自身、いったん企業を離れて薬局で調剤経験を積んだことで、キャリア形成という面でたくさんのメリットを感じました。

  • 職場が合わず転職してもすぐに次の職場が見つかる
  • 薬剤師資格を活かして、週末に派遣バイト(土曜日半日で月5万円くらいの副業に)
  • 薬剤師資格を活かして、医療系ライターやSNS発信も可能
  • 戻ろうと思えば、割と企業にも戻りやすい(CRA業界は人手不足)

とくに、女性はずっと正社員という働き方は難しいと思っています。

家庭の状況次第で退職しなければならない人も、CRAで働いているときにたくさん見てきました。

そんなとき薬剤師経験があると、柔軟な働き方でキャリアも収入も諦めずに生きることができます。

ゆるみ

薬剤師として働いても普通に高収入だし、薬剤師資格を使った副業も高収入ですよ。

今の自分を責めず、「自分のペースで働く道」もある

CRAとして働いていると、周りはフルタイムの正社員ばっかりに囲まれて、1日8時間もしくはそれ以上働くのが当たり前と思いがちです。

しかも、女性で育児中であれば、あまり評価はされず、「育児中だから・時短だから評価されないのは当たり前だ」と思いがち。

でも、そういう働き方や生き方って自己肯定感を下げるもので、あまり良いとは思えません。

薬剤師も正社員であれば、もちろん長時間労働は必要です。
でも、「いつでもパートや派遣で短時間勤務できる」と思うと気が楽です。

強制されて1日8時間働くのと、自分で選んで1日8時間働くのって天と地ほど違います。
自分に選択肢があると思えることは、精神衛生上とてもいいことなのです。

たとえ一度CRAを辞めてしまったとしても、薬剤師という資格があれば、戻ることも、別の道に進むこともできます。

そして、薬剤師として働いていると、積み重なるのは社歴ではなく「自分のスキル」だと痛感します。

調剤業務や投薬業務は他の薬局に行っても、通じることが多いからです。

ゆるみ

薬剤師は、もちろん患者さんや会社のために働いていますが、自分のために働いているという面もあります。

自分の「働きやすさ」を大切にする転職を

転職には、勇気がいります。

特に、今の職場でそれなりに成果を出していたり、安定しているように見えていたりするとなおさらです。

でも、「周りからどう見えるか」ではなく、「自分がどう感じているか」を大切にしてほしいと思います。

私は、CRAとして頑張っていた時期があったからこそ、今の「肩の力を抜いて働ける日々」のありがたさが身に染みています。
以前の自分から見たら「キャリアダウン」に見えるかもしれません。
でも実際は、「生活も、心も、自分らしさも取り戻せたキャリアアップ」だったと思っています。

薬剤師という資格があるからこそ、働き方を選べるという強さがあります。

正社員でも、パートでも、派遣でもいい。

自分の人生に合った形で働ける、それがこの職業の最大の魅力です。

転職を考えているあなたも、どうか「無理に頑張る自分」ではなく、「心地よく働ける自分」を選んでほしいなと思います。

まとめ:あなたの選ぶ道に、正解は必ずある

今回の記事が、CRAから薬剤師へ転職するか悩んでいる人の一助となれば嬉しいです。

悩んでやっぱりCRAのまま続ける選択をしても、薬剤師になる選択をしても、それはあなたの人生を良くするための一歩です。他人の物差しで測る必要なんてありません。

とくにCRAから薬剤師への転職はキャリアダウンに感じる部分もあり、年収や勤務環境(在宅あり→出勤が必要)も悪くなってしまう可能性もあります。

正直私も、最初は年収が下がったこと、毎日出勤する必要があることにショックを受けました。

でも、薬剤師として働くメリットは目に見えるものだけではありませんでした。

毎日近所のおじいちゃんおばあちゃんと話すことは癒されますし、薬局で働いている人は企業で働いている人よりもっと素朴で話していて安心できる人たちでした。(これは環境による部分も大きいですが、私の場合はそうでした。)

それに、いつでも正社員・パート・派遣と自分に合った働き方を選べることは、収入以上の精神的な安心があります。

ゆるみ

もし、CRAに嫌気がさしてる・精神が病みそうとなっているなら、薬剤師への転職を候補に入れてみてもいいのではないでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

34歳|6yと5yのママ|精神科門前の薬局薬剤師|元・CROモニター|子どもの小学校入学と同時にパート薬剤師になりました|2023年〜将来のためにインデックス投資と副業を開始

目次